D1. ノートPCの高輝度液晶ディスプレイで写真処理

2015-11-29 初版  2015-12- 6更新

 ノートパソコン(以下、ノートPC)で写真を処理しようとすると高輝度液晶パネルのコントラストの強さに悩まされます。 高輝度液晶パネルは表示コントラストが高く鮮やかに見えるがグレースケールを表示させると暗い方の色調の階調がほとんど表示できません。 表示品質の良いsRGB対応デスクトップ用モニタではグレースケール表示が良好にできます。 少し古めのノートPCまでは合理的な対応方法がなかったが最近のWin8.1用ノートPCではグラフィック表示のハードが進歩して設定可能な箇所が増えました。 従来はグラフィックチップ系の設定だけだったが最近は電源オプションの中のディスプレイ設定で高輝度液晶パネルでも写真処理にある程度使えるレベルにすることが可能になりました。(グレースケールの暗い方が表示可能になりsRGB対応モニタの表示に近付けられる)

 使用しているノートPCは2014年2月購入のNEC LaVie L (LaVie G タイプL PC-GN247AGA1)です。
 (OSが同じなら似たような設定になっているのではないかと思われます。 インテル系CPUなら特に可能性が高い
 (注1) この設定法はWin8.1以後のノートPCで実行可能と思われるので設定箇所を探してみて下さい。
      また、ノートPCの高輝度液晶の画面表示がコントラストが高くて目が疲れるという場合にも有効です。
 (注2) NEC LaVie Lの2015年の最新モデルでは液晶表示画面の設定を高輝度からより自然な階調表示に
      設定を変更したらしい。 ぎらぎらした鮮やか過ぎる色調がかなり抑えられて設定調整が楽そうです。

1.電源オプションで高輝度表示を抑える
2.グラフィックス・プロパティで画質調整
3.使用感
4.あとがき
5.参考リンク

 
1.電源オプションで高輝度表示を抑える (設定例)
   Win8.1の電源オプションへは [コントロール パネル]−[ハードウェアとサウンド]−[電源オプション] で入る。
  続いて 標準の設定プラン側の設定を行う。(例、設定プラン: LaVie) ECO側を選択しない
  [プラン設定の変更]−[詳細な電源設定の変更]− [ディスプレイ]−[ディスプレイの明るさ]
  (高輝度の明るさを低下させる)
   ・ [ディスプレイの明るさ]           94%に設定。(バッテリ駆動、電源に接続 の両方、以下同じ
  (高コントラストの暗い方を明るくしてコントラストを下げグレースケールの階調表示範囲を拡大する)
   ・ [ディスプレイ暗転時の明るさ]  最大 100%に設定。(黒側の階調表示にもっと明るくしたい部分)
    (注) 黒をより黒く見せて表示コントラストを上げる設定なので100%設定でもぎりぎりで調整余裕がない。
  (自動輝度調整をさせない)
   ・ [自動輝度調整を有効にする]      オフに設定。

  (注) 当方所有のLaVieの場合なので他の液晶パネルでは表示具合に応じて適当に調整下さい。
     グレースケールが全域で階調表示できることがポイントなのでここでは最高(白)、最低(黒)
     表示範囲を設定しています。("255"と"0"の表示限界を設定している)


 
2.グラフィックス・プロパティ(Intel HD Graphics Control Panel)で画質調整 (設定例)
   デスクトップ表示画面の何もない所を右クリックして
   [画面の解像度]−[詳細設定]−[インテル HD グラフィックス・コントロール・パネル]タブ−
   [グラフィックス・プロパティー]−(インテル HD グラフィックス・コントロール・パネル)−
   [ディスプレイ]−[色] で基本と(詳細)の設定画面になる。

   現在、次のような設定で使っている。(液晶パネルの状態で変わるので長時間使用したものは変更が必要です
   [基本]:(色深度) 32ビット(変更せず)
        (色調整) 明るさ :   (-60〜+100、 <0:暗くなる、0:リニアの最低値、0<:明るくなる)
            コントラスト :43  (40:コントラスト最低、41→49:リニアに明るくなる、50〜:明るくなり上側が飽和
               ガンマ :1.0 (<1.0:暗くなる、1:リニア、1.0<:明るくなる)
        色は共通設定のみ(R,G,B)の個別調整はできない。
       (注) ガンマは普通は"2.2"だがコントラストを下げる目的で1.0に設定。(液晶の階調表示を調整)
            現設定でガンマは1.5ほどの見え方になっている。

   [詳細]: 色合い:、 彩度:  (調整せず)

  (注) グレースケールが全域で滑らかに階調表示できることを確認する。
      高輝度液晶パネルなので暗い方の階調表示が悪いが仕方なし。(0〜255の12までぎりぎり判別可)

  (画面解像度) 小さい文字は読みにくいので1360x768の解像度で使っています。


 
3.使用感
   WinXP、Win7のノートPCでは高輝度表示の内臓ディスプレイに悩まされてきたがようやくデスクトップPCのsRGBモニタに近い画面の色表示に設定できたので旅行中に処理する画像もかなりまともな色表示の画像になりました。
   従来は旅行中と自宅のデスクトップPC側での表示の違いが大きかったが課題が解決され旅行中の画像処理が非常に楽になりました。(調整している色の変化がよく見える) 従来、高輝度液晶ディスプレイの表示はコントラストが高く 色の階調が判別できない感じがあったがそれがなくなった。
   使用PCは旅行専用にしか使っていないので年間70日ほどの使用、まだ新品に近い状態で内臓ディスプレイも明るい表示を保っています。 使用時間が長くなって液晶がへたってきたら設定の再調整が必要になるでしょう。
(参考) 旅行中はホテルの照明によって色の見え方が変わるので白色液晶のLEDスタンドを携行して使っています。 比較的ノートPCのディスプレイの近くで使っているが一定の色に調整できる。(光源位置の高いスタンドを使用
   (以前はホテルの3波長蛍光灯スタンドを借りていたが必ずしも借りられるとは限らないため持ち歩き)
  (注) HP画像はHDR処理をしているのでくっきり過ぎる場合もあるが目で見た風景に近くなるように処理しています。
      パノラマ画像が多いので暗く撮って明るく処理をして白飛びを抑えています。(彩度は少し高め)
      (旅行中の写真は体調の違いか明暗のバラつきや画面が小さいので水平の傾きが残る傾向があります)


 
4.あとがき
  2014年2月にNEC LaVie L(PC-GN247AGA1)を購入してから東芝がdynabook T954を出した。 写真を処理するにはぴったりのものだが買い替えには踏み切れなかったので使い続けることにした。
  購入後の設定中にTrue Color 表示の説明文字があったのでソフト設定でかなりのことができそうな印象だった。(画質を調整するソフトがあれば調整が可能) 旅行専用PCで最低5年は使うのでなんとかできないかと思いながらうまく設定できずに2015年7月の北海道旅行まで使った。 その後、あちこち設定を調べていて電源設定を変える時に中にディスプレイ設定を見つけて写真処理用に設定することができた。 長い間、購入は失敗だったかと思っていたのが解決してほっとしています。
  その後の2015年9月北海道旅行2015年10月西日本旅行で使いHP写真を自宅デスクトップPCで表示させて良いレベルの画質の表示になっています。 PC-GN247AGA1の色の再現性がかなり良く、デスクトップPCでの表示との違いが少なくなった。 2015年9月にメモリを16GBに容量アップ、HDDも1TB SSHDに換装したので自宅デスクトップPCに近づき旅行中も自宅での作業環境に近くなり高画質な処理が可能になった。

(設定の問題点)
 旅行中の写真のほとんどは短時間の処理でほぼ思った通りの範囲内だったが次の写真は想定とは違い予想よりも明るい画像だったので再処理して色調を暗くした。(暗めの色調の処理が難しい)
ダリア
ダリア
 少し暗めに処理した積もりだったがデスクトップ側では想定よりも明るい色調の表示だった。 デスクトップ側で暗めに再処理したが暗い方がキチンと表示できないとsRGB対応の標準的なディスプレイで表示した時に違って見えることが分かった。
 この画像はデスクトップ側で再処理後のものだがノートPC側で表示しても僅かな違いなのでもう少し丁寧に作業すれば防げた問題かも知れない。札幌・百合が原公園 2015-9-24撮影

(参考) この設定はWin8.1以後のノートPCで高輝度液晶の画面表示がコントラストが高くて目が疲れるという場合にも有効な設定なので試してみて下さい。(従来メーカー側は色鮮やかに見えれば良いというだけの作りになっていた)
  2015-12-14に駅ビル内の店でN社のノートパソコンを見たら落ち着いた色調の画面の表示デモだったので最新モデルでは設定方針を変更したか。 2018-12-13に駅ビル内のノジマでN社のノートパソコンのデモ画面は暗めの色調の画面だったので暗い画面でもキチンと表示できることを示していた。(製品出荷時に暗い部分の表示調整が必要だが、実際は全域の表示バランスを確認していると思われる


 
5.参考リンク
  モニター調整のためのページ : http://www.takoland.com/entrance/monitor_setting.htm
   ・こちらのノートPCでは「輝度(ブライトネス)」調整用は判別可能。(光沢(グレア)液晶で判別が難しい
   ・確認用グレースケールはすべて判別できる程度の見え方。(左から2番目はなんとか判別できる程度
    (注) このグレースケールは調整用には少し使いにくく全体に等間隔の方が見やすい。
        (参考)http://gallery41.image.coocan.jp/  ページ下部にグレースケールがあり値が表示されています。
                         (ページ下部の内容が表示されない場合は再表示ボタンで表示することあり)

  簡単に試せるテスト画像付き:“画質の差”が丸わかり!――液晶ディスプレイの表示チェックをしてみよう
    https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1004/22/news002.html
   ・液晶ディスプレイのチェックポイントを解説 (かなり程度の良いディスプレイが対象のページ)
   ・こちらの最新設定のノートPCでは最初のLCDは判別可能。(2015-12-6)
    以下はノートPCでは対応できないレベルの話なので参考程度。
   ・次のEIZOはデスクトップPCのEIZO EV2436W-FSGY (24"液晶)で時間をかけて判別可能なレベル。
    (画面表示直後は判別不能な高度なお話、人間が識別できるまで時間がかかる)


                                                          ( 以 上 )


  更新履歴 (ブラウザのボタンで戻る)

 15-12- 6: 1項電源オプション、2項グラフィックス・プロパティで画質調整を更新。
       設定変更により見え方を更新。 参考リンクを追加。
 15-11-29: 初版。

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