S2. Acronis True Image 2020の情報              

2022- 6-13初版   2023- 8-19更新   

   Win10を使い始めてブログに記事を書いてきたがそれらをまとめて追加情報と共に記事にしました。
1.初期画面からのバックアップ操作手順が変わった
2.ビルド38600 アップデートで一部の仕様が変わった
3.仮想マシンがWindowsではサポートされない
4.パフォーマンス関係
5.外付けHDDからのバックアップ ファイルの取込み回避法
6.Acronis True Image 2020の制限事項
7.Acronis関連のサービス
8.使い方とヒント(バックアップ・復元、大容量HDD対応)
9.参考情報(Acronis Disk Director)

 
1.初期画面からのバックアップ操作手順が変わった (8.項 使い方に画像付き説明、Acronis Web説明書
  従来のバックアップ操作手順は、最初にバックアップ対象指定、バックアップ先とバックアップ ファイル名を指定、バックアップ方法のオプション指定という順序だった。
  Acronis True Image 2020(以下所々で ATI2020と表示)の場合は初期画面のサイドバーでバックアップをクリック、バックアップ画面の左下にある小さく少し淡い色で表示された「+ バックアップを追加」の文字列をクリックすると同じバックアップ欄の上部にバックアップファイル名を入力するスペースが表示され、バックアップ ファイル名を設定するようになっている。 以後、バックアップ対象領域指定、バックアップ先選択、バックアップ オプション(バックアップ方法(スキーム)、バックアップ スケジュールを指定してバックアップを開始する。
最初にバックアップ ファイル名を指定することが操作手順の違いになっている。
(旧手順) バックアップ対象指定 → バックアップ先 → バックアップ・オプション → バックアップ ファイル名
(新手順) バックアップ ファイル名 → バックアップ対象指定 → バックアップ先 → バックアップ方法・オプション
(最初にファイル名を設定しているので後でファイル名を変更するという発想は起きないが変更可能)
(注) 最初にファイル名を設定しないと先へ進めないが特定の名前のフォルダ/ファイル名での説明があるので紛らわしい。
   (ファイル名を設定しないとデフォルトで入っているファイル名が有効と錯覚してしまうのが問題)

 [復元]はバックアップの画面からバックアップファイルを選択、右ペインの処理モード指定で復元を選択する。
  その後、パーティション復元の場合は2段目で復元対象 パーティションを指定する。
  (ディスクで復元が可能で最初に使った時には指定せずにSSDがデバイスで復元されSSDの設定を壊した)
  更にどの部分を復元するかの指定を行い下部の[今すぐ復元する]ボタンをクリックする。
  ATI_2020のインストーラDVDを復元に使う場合は英語表記、バックアップファイル名指定に続けてカレンダー指定(米国時間表示の時間指定)で復元用のバックアップファイルを指定する。 復元対象領域、復元手順をキチンと確認してから実行指示を決定する。(オンライン側で指定できない場合もインストーラDVDで実行可能)

 
2.ビルド38600 アップデートで一部の仕様が変わった (2022年1月)
  本説明ページ作成のために少し動かして仕様が変わった部分があることを見つけた。
パーティションのバックアップ保存を指定する部分でシステム保存部分(復元パーティション・EFIシステム パーティション)の
選択ボックス設定が無くなっていた。(設定なしで保存にして利便性の向上が目的らしい)
2022年1月のアップデート前まではActive Protectionがオンの時はAcronis True Imageではバックアップ ファイルを
削除できたが、エクスプローラーではバックアップ ファイルを削除できなかった。 それがActive Protectionの状態に関係なくエクスプローラーでバックアップ ファイルを削除できるようになった。(制限緩和だがこの方が使いやすい)
(注) 従来はActive Protectionを停止させる前にルーターの電源を切り、Active Protectionをオフにして外付けHDD内のバックアップ ファイルを削除。 その後、Active Protectionをオンにしてルーターの電源を入れていたが、これらの手順が不要になった。
(参考) リリースノート ビルド38600、2022- 1-11: Acronis indexTrue Image 2020 Update 5 for Windows
リリースノートには説明がないがアプリの動作が変わった。

 
3.仮想マシンがWindowsではサポートされない
[Acronis True Imageの仮想コンピュータのサポート] ATI2019以降、MACでParallels Desktop 14 だけサポート
というAcronisのKBがあり、WindowsではAcronis True Image 2021/2020/2019/2018/2017でサポートされる仮想マシンがないと表示されている。 (注) 2022- 4- 3にVirtualBox関係のフォルダが復元されないことで発見した。
[MACのみ対応] Acronis True Image でテストされ正常に機能することが保証されている仮想コンピュータの形式は、Parallels Desktop 14 のみです。 この形式は、Acronis True Image 2019 以降の MAC バージョンでサポートされています。

 
4.パフォーマンス関係
.tibxのバックアップファイルは大容量HDD対応とクラウド保存対応で圧縮率が上がり旧バージョンよりファイルサイズが小さくなり処理時間増加。(バックアップでの保存予想サイズは圧縮率が小さい計算で実際より大きく算出される)
但し、画像のJPEGファイルバックアップは既に圧縮されているので更に圧縮しても圧縮割合が小さく写真保存用のFパーティションでは181 GBから177 GBへ 4 GB(2.2%)小さくなっただけだった。 Cパーティションは圧縮率が大きく49.7 GBから20.4 GBになり実質約4割(41%)になった。(保存しないファイルを除いて57.4 GB → 49.7 GB)
Acronis True Image 2013の.tibのバックアップファイルの場合は圧縮率が小さくWin8.1ノートPC(C:)で58.6 GBから 28.4 GBになり約半分(48.5%)になった。
Active Protection(ランサムウェア対策機能としてATI 2017から追加された)はPCスキャン中のCPU負荷がかかるためパフォーマンスの良い最近のCPUでないと処理が重いと感じる可能性がある。
ATI 2020のActive Protectionが動いていると分かったが、Ryzen 7 5800XのPCの2スレッドで常時30%のCPU負荷で40分以上も動いていたがカスペルスキーでもスキャンするので止めた。(それぞれのCPU負荷がかかるので2倍ほどになる、カスペルスキーは最大が30%ほどになるがATI 2020よりも処理負荷が軽い)
(注) PC内をスキャンするのは多い順にカスペルスキー、ATI 2020のActive Protection、IBM Rapportだが、スキャンするトリガーがかかる
タイミングは同時でないことが多くほとんど気付かない場合が多い。


 
5.外付けHDDからのバックアップ ファイル取込み回避法 (2023年頃? 本対策の効果が無くなった)
  Acronis True Imageでは外付けHDDを接続すると外付けHDDをスキャンしてバックアップファイルのリストに追加されます。 外付けHDDの中に複数のPC(メインデスクトップPC、サブデスクトップPC、ノートPC、古いPCの参照用)のバックアップファイルを保存していると不要なリスト表示を削除するにも時間がかかるので外付けHDDをスキャンさせないように設定しています。 管理対象外のファイル表示は不要なのでスキャン機能を停止する方法。
ATI 2020ではソフトの機能構成が変わりサポートへの問合せで情報入手。

<バックアップ ファイル情報を外付けHDDからスキャンして収集を止める方法>(効果が無くなった)
(従来のATIではAcronis Sync Agent Service サービスを停止することで停止できたがソフトの構成が変わった)
C:\Program Files (x86)\Common Files\Acronis\Home\db_scan.exe(を名前変更して機能停止させる)
例. db_scan.exe.bak などのように覚えやすい復元可能な名前へ変更する。
(注1) Active Protectionが動いているとファイル名変更ができないので名前変更中だけActive Protectionを停止する。
(注2) その後、Active Protectionに対する処理が変わり、Active Protectionが動いていてもバックアップファイル削除が可能になり、
    外付けHDDをスキャンしてバックアップファイル情報の取込みを停止できなくなった。(2022年12月には動作が変更されていた)

 
6.Acronis True Image 2020の制限事項 (2022-1-22)
  <ATI2020のリリースノート> https://www.acronis.com/ja-jp/support/updates/changes.html?p=42088
既知の問題と制限事項: 各種の制限項目がリストアップされている。
[TI-172340] 新しいバックアップ形式 *.tibx では、バックアップマウントオプションはサポートされない。
(仮想ディスクでのパーティション展開ができなくなりファイル名表示ができるレベルだけ)
(参考) ATI2020での旧バックアップ形式 *.tibファイルはマウントしないのでファイル/フォルダ構成の表示まででプロパティ表示はできない。(Win10ではVirtual Disk サービスが動いているためかエクスプローラーでバックアップファイルをクリックするとファイル単位まで展開表示する)
*.tibx/*.tibは独特のエクスプローラー表示になり連続表示は良いが別エクスプローラー起動で動きが変わる。

<サポートされない CPU およびオペレーティングシステム> https://kb.acronis.com/ja/content/63685
CPU 構成: ARM/ARM64 はサポート対象外。
OS: Windows 7(Service Pack 1 なし)ほか、詳細はURLリンク参照。

その他: セキュリティ脆弱性問題が時々報告されているので最新版へのアップデートやニュースに注意。

 
7.Acronis関連のサービス
  参考情報 63393: Acronis True Image 2020: Windows のサービスおよびプロセス
  ATI 2020の使い方に応じて使用しないサービスを停止させられます。(PCのパフォーマンスアップ目的で)
  Acronis Mobile Backup Server、Acronis Mobile Backup Status Server、Acronis Nonstop Backup Service、
Acronis Sync Agent Service などが停止可能。(CPU負荷軽減を狙う場合)
  PC単体で完結する使い方では Acronis Managed Machine Service Mini は停止可能。(時々勝手に起動する
  (オンライン ダッシュボードの使用および Cloud への登録を可能にします。 また、他のコンポーネントにも接続用に使われます。
   使わない機能なのに突然意味不明の動作が始まり他のPCなどの状況を調べに行くが動作・機能が明確に説明されていない


 
8.使い方とヒント(バックアップ・復元、大容量HDDへの対応)
ATI 2020は色々な使い方ができるがパーティションを完全バックアップで使う場合の手順例を説明します。
バックアップするにはバックアップファイル名を一定のルールで命名しないとバックアップファイルの管理が
困難です。(バックアップの考え方はPCの使い方に依存する部分が大きいのでかなり単純な使い方の例)
当方の環境はデスクトップPC 2台(メイン、サブ(通常使用しない))、ノートPC(旅行用)とバックアップ用に
USB3.0接続 2TB外付けHDDで運用しています。(通常はメインのデスクトップPCを中心に使用)
<バックアップ ファイルの置き場所(G:)と命名法>
(例.G:\$_Win10\PP-yymmddV.tibx) HDD構成のGUI表示はATI_2020がHDD構成を認識すると表示する。
PP:パーティション(C,D,Eを2文字で)+yymmdd年月日+Vバージョンで管理、エクスプローラで順に並ぶ。

8.1 ATI 2020でパーティションを完全バックアップする

8.2 ATI 2020でパーティションの復元

8.3 大容量HDDへの対応  (パーティション単位のバックアップが基本だが工夫が必要
Acronisの説明にはPC一括のバックアップ例があるが時間や使い方などでは現実的な方法ではない。
(上品な使い方なら可能だがレジストリ・設定の変更、大量ファイル移動などを普通にやる場合は差分ファイルでは対応不可)
Acronis True Image LEのOEMバージョンから使い始めたが常にパーティション単位でバックアップした。
パソコンの自作を始めて8台目・HP運用21年で写真ファイルが増えた。 システム ディスクをSSD化
した2016年からデータ保管用 Fパーティションを1TB HDDにした。 データ量が500GB以上になると
バックアップに3時間以上かかり簡単にバックアップすることができない。 どこへバックアップをするかも
問題になる。  Fパーティション用HDDは壊さないようにしなければならないがバックアップが簡単ではない。
従来は1TB HDDを1パーティションで使っていたがバックアップ時間短縮のためC・D・Eパーティション
のバックアップ イメージの保存領域と写真ファイルなどのデータ保存部分を分けて管理するようにした。
写真ファイル部分は占有領域が大きいのでPC内に1TB HDDを追加して1次バックアップ専用に使い
バックアップ回数を増やすことにした。(Fパーティションを2022年5月に壊した失敗から対策を強化した)
2次バックアップは2TB外付けHDDとしてFパーティション イメージをバックアップ、PC運用のC・D・E
パーティション イメージはGパーティションと外付けHDDで保存する従来通りの運用とした。
直近のCパーティション イメージがPC内にあるとWindowsのレジストリ設定失敗などでも簡単に復元
でき実験的な操作が心配なくやれます。(原因不明の不調に対してイメージ復元が可能)
(注) PCケース内に追加した1TB HDDは東芝製2.5" HDD、MQ04ABF100。 回転数は5,400rpmだが
記録密度が高く1枚ディスクで7mm厚の薄いサイズ、バッファメモリ 128MiBでパフォーマンスが
良い。 350GB使用中のシーケンシャルRead/Writeで150MB/sの数字が出る。(USB3.0接続が速い
(内部転送速度が 819.7〜1733.6 Mbit/sなので100〜210MB/sになり 3.5” HDDと同等の性能)
<パーティション構成>(サイズGB)
(500GB m.2 NVMe SSD) (200): Win10 Pro x64、 (100): データ領域、 (119): アプリ領域
(1TB 3.5" SSHD)    (700): 写真・ドキュメントなど、 (230): C・D・Eパーティションイメージ
(1TB 2.5" HDD )    (931): Fパーティション イメージ

 
9.参考情報
  Acronis True Imageの最新版の情報 (年間サブスクリプションだけになった、買い切りなし)
Acronis True Imageをマルウェア対策機能を付加価値としたブランド設定に方針変更した。
買い切り版ではAcronis Disk Director がある。
Acronisにマルウェア対策を任せない場合の用途で費用削減したい場合に向く。
ユーザーズガイドを見るとAcronis True ImageはVSSを使った論理モードの処理、Acronis Disk Directorは
排他制御の管理が必要な物理モードでファイルの状態管理をユーザー側でやるようにしたものらしい。
(使い方や処理操作が少し難しくなる)

(関連情報1) 2020-8-31: Acronis True Image 2020関連情報 − K'sブログ
(関連情報2) パソコン情報S02:Acronis True Image 共通情報 - ぶらり旅行写真集

以 上



更新履歴 (ブラウザのボタンで戻る)
 23- 8-19: 7.項 Acronis関連のサービスに補足説明を追加。
 22- 6-23: 8.項に8.2 ATI2020でパーティションの復元、8.3 大容量HDDへの対応の記事を追加。
 22- 6-22
: 8.項に8.1 ATI2020でパーティションの完全バックアップの記事を追加。
 22- 6-13: 初版 (ブログ記事と関連情報のまとめ)

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