(2011- 6-23初版 2015- 3-28 更新)
(参考) Microsoft Image Composite Editorの最新バージョンは2.0.3になりユーザーインターフェースが一変しました。 (使用説明) Microsoft Image Composite Editor2の使い方 (以下の内容は旧バージョンがどんなものだったか以上の参考になるものはありません) Microsoft Image Composite Editor(以下、MS ICE)の使い方をネット検索したがソフトの使い方についてのページが検索されないので使い方入門として作りました。 説明書そのものがなく英語が苦手な人やパノラマ合成についての知識のない人にとっては操作や用語を理解することが容易でないため基本的な部分の使い方を紹介します。 最近ではパノラマ合成を高精度で自動処理するソフトが出てきたので発想の転換が必要な時期になり、MS ICEもパノラマ合成用のファイルを入力するだけで自動合成処理します。 後はパノラマ合成処理の調整と結果のファイル出力だけで高精度なパノラマ合成画像が簡単に作れます。 (注) ダウンロードページのサポートについての記述 : MS ICEは無料で提供されていて公式サポートはない。 ICEについて疑問があれば Image Composite Editorのフォーラムが参考になるだろう、開発者が見ていてコミュニティベースのサポートがされている。 (サイトが削除され関連ページがなくなった)
バージョン 1.4.4の特長 ・ビデオからの合成が可能。(Windows7の場合だけ) ・レンズのビネットの自動除去。( ビネット(vignette): 周辺光量低下により画像が暗い写りになる効果) ・合成境界の色調ブレンディング エンジンの改善。 ・メモリ使用・ディスク作業領域のオプション設定が可能になった。 バージョン 1.4.4でAdobe Photoshopのファイル形式が出力可能に戻った。(1.3.3と1.3.5は出力不可) (Adobe Photoshop形式の代替にTIFFが使えそうだがファイルサイズが少し大きめになる) ファイルサイズを使用画像例(4810x1360 ピクセル)の100%出力でチェックしたら次のようになった。 Bitmap 19168KB > TIFF 16603KB > Photoshop(psd) 15412KB バージョン1.3.5までの従来からある特長 ・マルチコアCPUでのパノラマ合成処理の速度向上。(処理速度向上が体感できます) ・行と列に並んだ2次元撮影パノラマのサポート。(ロボット三脚撮影画像への対応) ・合成イメージサイズの制限なし。(ギガピクセル単位のパノラマに対応) メモリを大量搭載した64ビットPCが必要 ・8ビット、16ビット幅の入力画像イメージに対応。 ・専用ソフトPhotosynthによるWeb出力。(MS ICE応用の1つの方向性を打ち出したもの) ・WIC codecの使用によりRAW画像の入力に対応。(RAW画像入力についてはWIC codecsリンクを参照) (WIC codecはダウンロードページ説明内WIC codecsリンクからダウンロードできます。 Canon EOS 70DのRAWが合成できた) ・露出差のある画像の自動的なブレンディング。 ・64ビットOSのサポート。(バージョン1.4.4はメモリを大量消費する傾向あり) ほか バージョン1.4.4の変更点 ●プログラムの進捗状況を%表示のプログレス メーターで表示するようになった。 ●32ビット版のファイル出力(Export)の出力先が合成画像入力元フォルダでなく前回に出力したフォルダが表示されるので出力時の操作に注意が必要。(旧バージョン1.2r1は画像入力元のフォルダが最初に表示されるので使い勝手が良かった) ●Adobe Photoshop形式のファイル出力がFlat/Layersに関わらずレイヤーで出力されレイヤー結合が必要。 ●[Tools]−[Options]の中のUpdatesにICE起動時に毎回バージョンチェックするチェックボックスがある。 インターネット接続環境が良くない場合でチェックを回避や起動時間を短縮したければチェックを外す。 (自宅では何も問題にならないが北海道旅行に出てインターネット接続に制限がありこの問題に気付いた) 同じ[Tools]−[Options]の中にはメモリ使用制限値(Memory Consumption)の設定があるのでメモリが1.5GB以下では64MB(最小設定値)に設定しないとメモリ不足で悩むことになります。 4.2 メモリ使用を参照。 バージョン 1.4.4のパノラマ合成比較(バージョン1.2r1との違い) 旧バージョンの 1.2r1と比較してバージョン 1.4.4の合成結果は一長一短のような印象です。 2次元撮影パノラマをサポートしてから細かい調整をせずに大雑把な処理になったのではないかという感じがする。 バージョン 1.4.4になりかなり改善されたが次のように少しレベル落ちした結果も出ています。 MS ICEバージョンによる違い バージョン1.4.4の方が良い例 その後、バージョン1.4.4を使っていなかったがバージョン1.2r1との違いが僅かなこと、空の合成部分の色調ムラが少ないことや処理が速く操作性が良いことなどでバージョン1.4.4を本格的に使うことにした。 (注) バージョン1.2r1との僅かな違いがパノラマ合成結果に影響する場合がごく稀に存在します。(1.2r1の方が良い結果)
MS ICEの古いバージョンはダウンロードできなくなっています。
[スタート]−[プログラム]−[Microsoft ICE]−[Microsoft ICE]をクリックする。 頻繁に使う人はエクスプローラからICE.exeのファイル名をマウスの右クリックでデスクトップにドラッグしてショートカットを作ると、アイコンをクリックするだけの簡単操作で起動できるようになる。 なお、ショートカットは作り方によってスタートメニューの表示が1段(サイズ 1KB)と2段(サイズ 3KB)になり、2段で作られると起動時間が長くなります。(エクスプローラでの表示が違います) (ICE.exeをマウスの右クリックで[スタート]ボタンへドロップするとスタートメニュー表示 1段のものが作れる)
4.1 パノラマ合成 ほとんどの場合でうまくつながるが稀に全画像を合成しないで部分合成だけで終了したり、細部でパノラマ合成にズレのある場合もあることが分かった。 パノラマ合成での撮影コマ間での色調合せが積極的に行われつなぎ目での境界部分が滑らかで目立たない。 手動設定でパノラマ合成する手段がないので自動処理でつながらない場合の対応が難しい。 (パノラマ合成条件を参考に色調補正、過剰イメージのトリミングなどの対応が可能だが、至近距離イメージの撮影時の不具合は対応不可) (参考) パノラマ合成を水平面で合成して歪が出る場合、斜めの斜線上で歪み調整をすると歪量を緩和できます。 やってはいけないこと 画像の一部を3枚以上のコマにまたがる過剰重複な撮影。(30%程の適度なオーバーラップ量で撮影する) 合成パノラマに段差ができたら過剰なオーバーラップがないかをチェックして削除可能なコマを外す。 (隣接コマを合成する手順なので同じ場所が3コマ以上にまたがると処理できなくなり画像に段差ができる) MS ICEのパノラマ合成条件 (合成しないケースや処理異常など) ・ 画像マッピングの一致が合成画像間で見つかること。(トリミングした画像ではねられたことあり) (つながらなかったものを隣接コマだけでは合成するがもっと多いコマ数のパノラマ合成で外されてしまうケースがあった) ・ 合成画像間の画像特徴点の色調違いが許容範囲内。 接合部分の色調が違い過ぎるとダメ。(10-1-27) ・ 合成画像内の至近距離の画像間にズレがあると輪郭が合わず画像がオーバーラップする。(10-1-30) ・ 撮影画像間の至近距離イメージのズレが大きいと同一地点での撮影でないと合成拒否。(12-4-16) ・ 色調の暗めのコマが含まれている場合に合成画像のゆがみに影響する場合あり。(10-2- 1) (自動露出のデジカメで撮影して悪影響のあったコマの色調合せをしたらまともな合成画像になった) (画像イメージの境界があいまいな部分の合成で色調の違いで画像ズレの方向が逆になった)(12-4-16) ・ 撮影方法が悪いとパノラマ合成結果がゆがむことがあり視点補正で修正できない。(12-4-26) (円筒面投影でも1点からの同一面上で撮影していないと部分的なゆがみが出る) 異常画像 正常画像 (注) 合成結果が異常になったものをPhotosho Elements 7のPhotomergeの円筒面投影で処理したが同様の結果。 パノラマ撮影の注意点 <至近距離被写体に注意> パノラマ撮影で至近距離の被写体がある場合に至近距離被写体でパノラマ合成で画像ズレが生じる問題があります。 次のようなパノラマ合成の許容限界の説明を見たことがあります。