1.まえがき
● (何をする) Win7のXPモードアプリのHDD部分をUSB接続でHDDを接続してHDDの動作環境を作る。
CPUパフォーマンスは新しいCPUで上がるが、USBメモリはHDDと同じ動きではない。
(注) HDDのUSB3.0接続の方が速いがXPモードでサポートされていないので使えません。
● (どうしてそんなことが必要なのか) Win7のXPモードから直接アクセスできるHDDデバイスが必要。
Win7のXPモードの統合機能によるHDDアクセスは通信手順で行われ遅過ぎてアプリが要求する処理性能がないので使えない。 アプリがHDDを直接アクセスするのと同等のパフォーマンスを必要とするが、XPモード環境で実現するには HDDをUSB接続するしかないという結論になった。
現在、Win7(ディスクはSSD)のXPモードを使ってWinXPまで動かせたPageMill3.0Jというソフトを使っている。
どうしてそんな古いソフトを使っているのかというとPageMill3.0Jの高機能なサイト管理機能が使えるから。
現在では作られなくなったが特長のある便利機能がいくつもあります。
例えば、エクスプローラー風のツリー構造のサイト構成をエクスプローラーと同じようにフォルダ階層の構造を切り貼りしても破綻せずにHTMLやCSSファイルを更新して指定したフォルダ構成に変換できます。(これは本当に便利!)
この機能を使って当サイト独自の画像DBを構成してネット上でのページ表示を最適化して高速表示しています。
当然だが、画像やページのサイト内の移動は通常のHTMLエディタよりも簡単にできて時間と手間がかかりません。
(注) ファイル間のクロスリファレンスを表示できるのでファイル移動(削除)と変更箇所が直感的に理解できる。
Dreamweaverにはこの機能が表の機能になく、[編集]操作も更新漏れが起きる場合があり非常に不便。
問題はこのような便利機能をサポートするためにHDDと同等のディスク性能が必要なこと。 PageMillはページ編集などの操作中も編集中ページを自動保存する動きになっています。 WinXP環境では問題なく動いたがXPモードではUSB3.0接続仕様のUSBメモリを使っても低速なHDDレベルのパフォーマンスも実現できていないことが判明した。
USBメモリ内のコントローラの動きとHDD内のコントローラではパフォーマンスに違いがあるようです。
USB3.0接続USBメモリをHDDとして使用中にPageMill3.0Jの処理エラーが起きて異常なHTMLを吐き出した。
(注) USB3.0接続USBメモリを使って異常処理の起きる発生頻度が低いので発生要因の発見に時間がかかった。
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<今までに気付いた不具合事例> (発生確率が低かったので問題点を発見できなかった)
・2015年10月頃、サイトのトップページ(DTI)が白画面になる。(外部の障害と受け取ったが違うことが分った)
・2016年1月頃にも類似の事例が発生。
・2016- 3- 5: 北海道の画像インデックスの追加・更新のページ破損を発見して修正。
・2016- 9-24: HTMLファイル領域をSSD(D:)領域にして作業中にページのファイルサイズ表示はあるが、
処理中ページが白画面になる不具合が発生。(HTMLファイルが内容のない枠組みだけになっていた)
(注) 2001年のサイト開設からWin7 XPモード使用以前には上記のような不具合事例の発生なし。 |
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2.USB2.0接続HDDの設定方法
手持ちの2.5インチ7200rpm SATA HDDをSATA-USB3.0変換ケーブルでUSB接続に変換、それをマザーボード上のUSB2.0内部コネクタに接続する。 パーツ購入費用が最も少なくトラブル発生の少ない確実な方法です。
最近は類似製品が色々出回っているので信頼できそうなメーカーものを購入する。
(ネット購入では小物なので注文して届くまでに時間がかかるため秋葉原へ出掛けて購入した)
(注) 2.5インチ外付けHDDケースでの長時間使用は発熱、ほこり、置き場所など問題があるのでPCケース内に設定。
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<購入品> (すべてainex製)
・2.5インチSATA-USB3.0変換ケーブル 型番: CVT-08
(注) HDDのUSB2.0ポート接続はサポート/動作保証の対象外です。
・USBリアスロットUSB2.0用 (USB2.0ポート接続用)
・2.5インチSSD/HDD変換マウンタ (3.5インチベイ設定用) |
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PCケースへのセットアップ状況
SSDの電源ケーブルが干渉するのでSSDを上に1段ずらして設定。
2.5インチHDDなのでUSB2.0接続のバスパワーだけで動かせます。
(注) WinXPがUSB3.0を非サポートなのでUSB3.0接続では動かせません。
P9X79マザーボードには4個のUSB2.0内部コネクタがあり1個(2ポート)を前面パネルに使っている。(内部コネクタはユーザーが設定使用できる-オプション) |
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3.CrystalDiskMark 3.0.3の測定結果
XPモードでCrystalDiskMark 3.0.3の測定結果 (左側が今回サイト保管用にセットアップしたもの)
CrystalDiskMarkの値はHDDもUSB3.0接続用メモリも違わないがPageMill使用時のパフォーマンスに差がある。
今回サイト保管に使用 |
2016年9月までサイト保管に使用 |
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HTS722010K9SA00
(SATA 7200rpm)
SATA-USB3.0変換ケーブルで
USB2.0接続 (2018-3-19)
(SATA-USB3.0変換ケーブル) |
Transcend TS32GJF710S
(32GB、USB2.0接続で使用 ntfs)
USB3.0接続仕様のメモリを
USB2.0接続で使用
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(注) 左端はSATA-USB3.0変換ケーブルでHDDを接続してUSBメモリから置き換えた。 |
4.サイト読込み時間の比較
XPモードで12,100ファイル、194MBの読込み時間の比較
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読込み方法 |
HDD |
USB 3.0メモリ |
初回読込み |
20 秒 |
29 秒 |
2回目読込み |
3 秒 |
22 秒 |
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USB3.0メモリをUSB2.0接続7200rpmHDDと入れ替えるのはトラブル回避の有効な手段と確認できた。
(注) ・HDDは読込み開始のクリックからすぐに読込みを開始するが、USBメモリは読込み開始までに
6秒ほど時間がかかる。(USBメモリからファイル構成を読込んでいるためか、HDDよりレスポンスが落ち過ぎはダメ)
・HDDの場合は16MBのバッファメモリとNCQ機能が効果を発揮、有効に使われている模様。
USBメモリはNTFS、FAT32の両方でテストしたがほとんど同じ時間。
(参考) その後の使用でサイト読込み時間をチェックしたら初回読込みが29秒になっていた。
同じパーティション内にサイト以外のファイルを置いていることが原因と考えパーティション
サイズを12GB → 5GBへ削減してサイト以外のファイルを別パーティションへ移動したら
サイトの初回読込み時間が12秒に短縮した。(12,500ファイル、212MB) (2018- 3-12) |
5.USBメモリ → USB2.0接続HDD化による効果
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・ HTMLファイルアクセスが早くなったのは勿論だが、FFFTPでの反応が変わって動作が速く確実になった。
PageMillに書き込みエラー検出機能があるらしいがUSBメモリ使用中にはエラーが検出されなかった。
・ PageMillのファイル保存が確実に機能するようになった。([ページを保存]/[ページを別名で保存])
(注) USBメモリでは[ページを別名で保存]の強制書込み操作で書込まれない場合があった。
PageMillの自動保存機能に関係してPageMillの自動保存書込みタイミングと別名保存の時間関係の問題らしい。
・ドライブ文字(現在は I:)の移動が抑えられ、USBメモリの挿入確認が不要になり操作性が良くなった。
HDDが固定接続されているのでUSB
HDDの接続/切断操作だけ。(USBメモリと違い書き換え寿命の心配がない)
(参考) D:ドライブをバックアップ領域に使い操作ミスなどで間違って削除や以前に戻したいなどの時にD:から復元する。
D:の内容が壊れたり更に前のものはD:の以前の保存イメージをイメージ参照で表示させてコピーする。 |
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6.その後の使用結果 (2016-11-26)
その後、旅行期間を除くと1ヵ月近くの運用になるが使用結果は次の通り。
・PageMill3.0Jによるエラーは数100回〜1000回?に1回程度のエラーが発生する。
但し、以前は書込みエラーがチェックされずに起きていたが新方式ではエラーメッセージが表示される。
Win7レジストリのSessionPoolSizeの数値アップでXPモードの動きが速くなると再び書込みエラーが出る
ようになったがレジストリのGDIProcessHandleQuotaの数値アップで書込みエラーが出る状況が改善した。
(エラーメッセージ表示の理由はPageMill3.0Jが問題の起きる部分としてチェック機構がある模様、USBメモリは追従しない?)
発生頻度はXPモードのシステム設定にも関係するようで使用認証を必要とするアプリをインストール後に起きやすくなった。
XPモードに沢山のアプリを入れて同時に動かすような使い方は不安定になりやすくビジー状況が発生する可能性がある。
・PageMill3.0Jの書込みの遅れが起きる場合があるが遅れる原因・状況は現時点では不明。
ファイル間リンクの異常は書込み遅れが起きない状況では起きていない。(不具合発生事例なし)
(不調状況になって以後、PageMill3.0Jからブラウザ(IE)表示して更新確認するようにした(IE表示で最新状態になる))
(参考) Dreamweaver CS6では更新漏れが時々発生してファイル名変更やファイル移動が追従しない場合ある。
7. HDDをSSDへ換装 (2018- 9- 2) (改善確認の仮対応、後でHDDへ戻す)
PageMill3.0Jを使用中に書込み異常のエラーが起きる状況が続いているのでHDDをSSDに置き換えて
状況を改善することにした。 使用するSSDはメインPCで使っていたSamsung 250GB SSD。
SSDをGPTディスクからMBRディスクへ変換してSATA-USB変換ケーブルでUSB2.0ポートに接続した。
Samsung製SSDは認証しないと使えないとか扱い難い部分があるが発熱が少ないので消費電力が少ない
と考えられUSB2.0ポートのバス駆動で問題なく動く筈。(Samsung SSDはHDDよりも消費電力が少ない)
新環境での稼動温度(室温 28℃) Samsung SSD:34℃、Crucial
SSD:43℃
ハード設置作業としてはHDDからSSDへの接続変更だけだがSSDのセットアップでは少々てこずった。
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SSDへ置換したXPモードでのCrystalDiskMark 6.0.1の測定結果
・シーケンシャルはUSB2.0側の転送速度の上限と思われる。
・4KBランダムについては処理上での上限に達していると思われる。
この結果はWinXPでPageMill使用のHDDパフォーマンスを実現したと推定される。
CrystalDiskMark6.0.1の結果はバージョン3.0.3より最後の4KBランダムが僅か少ないだけ。
(使用結果)
・12,500ファイル、215MBのサイト読込み時間:8秒、再読込み時間:3秒
(今月の直前のHDDでのサイト読込み時間:14秒)
その後、1ヵ月半使用して問題なく動くことを確認した。 (2018-11-29) |
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<トラブルが完全に解決>
8. SSDをHDDへ戻す (2019- 1-12)
2018年9月にSSD化してからもPageMill3.0Jの使用中に「システム上の問題でファイル書込みができ
なかった」というエラーが出る。 このためWin7側と関係しそうなXPモードのサービス設定を有効化した。
サービス設定を調整した結果、XPモードの画面操作のレスポンスが向上してエラーが出なくなった。
HDDへ戻す理由はSSDの設定がはっきりとは分らないが何かに干渉しているような感じがあること。
XPモードがHDDへ戻しても安定して動くことが2018年12月に確認できたので本格的にSamsung SSDを
外して前に使っていたHDD(HGST製7200rpm 2.5インチHDD
HTS722010K9SA00)へ戻した。
(注) その後、まだ原因不明のエラーが残っていたがサービス設定のLogical Disk Manager、Logical Disk
Manager Administrative Serviceを手動→自動にして原因不明のエラーが出なくなった。(2019- 6-27)
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HDDへ置換したXPモードでのCrystalDiskMark 6.0.2の測定結果
(使用結果)
・12,600ファイル、218MBのサイト読込み時間:14秒、再読込み時間:3秒
(WinXPで使っていた時よりも十分に速い速度になっています)
・サービス設定の変更でXPモードの動きが若干滑らかになった。(2019-6)
(参考) 2021- 1-12: WinXPでのサイト読込み時間を測定 |
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( 以 上 )
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19- 6- 9: 8.項 SSDをHDDへ戻すに注記を追加。(エラー対策)
19- 1-12: 8.項 SSDをHDDへ戻すを追加。
18-11-29: 7.項のSSDのパフォーマンス測定結果をCrystalDiskMark6.0.1に変更。
18- 9- 2: 7.項 HDDをSSDに換装を追加。
16-11-26: 6.項 その後の使用結果を追加。 (目次を追加)
16- 9-28: 初版 |
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