C4.デスクトップPC電源のPWMファン交換

2014- 5- 4初版  2014- 6- 1更新

1. 事前検討
2. 秋葉原での買い物
3. 交換作業
4. 電源ファンの交換結果

  当然の話ですが電源の改造になるのであくまで参考情報としてお読み下さい。(内容に責任を持ちません)
  メーカー保証を受ける場合には電源のビスに貼られた保証シールをはがすと保証を受けられません。

 
1.事前検討
   4月下旬頃からHDDを切り替えてWinXPで使っているサブPCの電源から異音がするようになった。
  最初のうちは小さい音だったが徐々に大きくなり400W電源(Enermax製EES400AWT)がマンション内の
  別の階で工事をやっている音とそっくりな音がする。 最初はどこかで工事をやっているものと思ったが、
  PCケースが響いて大きな音に聞こえることが分かった。 ファンの異音のためだけに電源を交換する
  気になれずファンだけを秋葉原から買ってきて交換することにした。
   電源のシールをはがすと保証が受けられなくなると言っても購入から5年以上になるので関係なし、
  自分で交換した方が時間もかからず手っ取り早い。 しかし、電源の中にあったのはPWM制御ファンで
  CPUクーラーに使っているPWMファンと接続ケーブルの色の使い方と順番が違っている。 メーカーが
  勝手に取替えられては困るということらしいと判断した。(信頼性などを考えると当然の話
   接続方法は分からないが5/2に秋葉原へ行ってケース用の12cm静音PWMファンを買ってきた。
   出かける前に電源ファンのコネクタが特殊なので接続ケーブル交換作業用の半田ごてがあることを
  確認した。 真空管式アンプなどを作った時に使った半田ごてよりもこて先の細いタイプが必要だったが
  買ったままで一度も使っていないものがあった。(実際に作業すると熱量の小さい半導体回路用が良いと分かる

  (注) 今回の場合は事前チェックが不十分でたまたまうまくいったが交換するPWMファンの回転数の
      範囲と風量がオリジナルのファンの範囲をカバーしている必要があります。 少なくとも起動時の
      回転数範囲と使用負荷での所要風量が同等でないと異常な状況が起きることが考えられます。
        当方の使用状態はほとんど軽負荷なので最大風量は必要ないが単体販売のEnermaxファンが電流0.4Aで
        風量が
69 CFM、電源内蔵ファンは0.3Aなので最大風量はこれより低い筈である。 購入ファンの最大風量が
        
58 CFMなのでほぼ同等と思われる。 (使用環境により使用温度条件の考慮も必要です)
  (参考) EES400AWT 製品情報 http://www.enermaxjapan.com/ECO80series_feature/ECO80_feature.html
        ファンの軽負荷時の回転数が450rpmとなっているのでこの回転数で回転するタイプのファンである必要がある。

 
2.秋葉原での買い物 (2014-5-2)
  ・120mm PWMケースファン: BLACKNOISE製
NB-ELOOP B12PS (400〜1500rpmのPWM制御ファン)
   ブランド名: BIONIC LOOP FAN、 NB-eLoopと書かれていて羽の外周がつながった構造。
   Developed in Germany、Made in China 箱の表示: NB-eLoop B12-PS サイズ: 120x120x25
   長短2本の接続ケーブル、シリコン防振ワッシャーと3mmΦx35mmねじとナット(4組)が付属。
  
 製造元: BLACKNOISE (ドイツ)    販売元: (株)サイズ(日本正規代理)
   ツクモパソコン本店で購入 \2,172 (税込み\2,345)
>今回購入した静音PWMファンと電源についていたPWMファン

今回購入した静音PWMファン
長短2本の接続ケーブルが付属。

電源についていたPWMファン(電源用
ED122512H (DC 12V 0.3A) 類似品(0.4A)

 
3.交換作業
   最初に考えたのはPWMファンとの接続方法がどうなっているか。
   接続ケーブルの色の使い方を手持ちPCとネットで検索、BLACKNOISEを含めて5通りの組合せが
  見つかった。(黒: グランド、赤:+12V が共通以外は少しづつ組合せの色が違う)
   ネットで電源ファン交換例でPWMファンを交換した例は1つもなく自分で解決する以外ないと分かる。
   手持ちの測定器は自動車のバッテリー電圧チェック用に購入したデジタルテスターしかない。
   電圧波形が見られるオッシロなどの測定器があれば一発だが段階的に作業して電源とPWMファンを
  壊さないでやる手順を考える。 +12V、PWM信号、回転数入力の判別ができれば良い。

  (配線接続確認と作業手順)
   電源側からPWMファンまでのケーブル(電線)はEnermax製電源ファンのケーブルを切断流用する。
   Enermax電源側コネクタ: 特殊なコネクタで作業できないので流用、ファン側の根元でケーブル切断。
   購入PWMファンの接続ケーブルを切って仮接続の電源ファンとテスト接続用のケーブルとする。
  <テスト接続用ケーブル構成>
  電源 [Enermaxコネクタ]−Enermax電源ファンケーブル購入ファンケーブル−[購入ファンコネクタ] ファン

  最初に電源ファンを外してPCが起動するか確認。 これで起動しなければ少し面倒だが起動した。
  グランドと+12VをつなげばPWMファンはフル回転する筈なので黒、赤の2本を接続してテスト。 
    回転しないので電圧を測定したらPWM信号と思っていた黄色が+12.3V、赤は数VでPWM信号、
    回転数入力は電圧が出ない筈で白が0.3V前後なのですべてのケーブルが識別できた。
   [ 黒:グランド、 黄:+12V、 赤: PWM信号、 白: 回転数入力 ]
   (注) ちょっと嫌味なカラー設定だが、普通は赤と黄を逆につなぐのでファンが回転しないだけ。
       ファンが回転しない時はオーバーロード検出で電流遮断するようにPWM信号回路を作っているらしい。

  グランドと+12Vを仮接続で動作確認。(最高回転数の筈)
    グランドと+12VとPWM信号を仮接続で動作確認。(ヒートシンクに風が当たっていないPWM信号対応の回転数
    裸のテスト状態では両方の回転数の違いは分からなかった。

   (電源ファン接続ケーブルの最終接続)
  動作確認に使ったコネクタとオリジナルの電源ファンのケーブルで接続ケーブルを最終接続する。
    PWMファン用のケーブルが細いのでケーブルの皮むきも簡単ではなかった。(線が切れる)
     半田ごての熱で皮むき、購入PWMファンのコネクタは相手側をつないで半田ごての熱でコネクタを
    壊さないようにした。(小さいコネクタなので半田ごての熱量で変形しそう)
     作業対象が小さいのでルーペを使って確実にきれいにつながっていることを確認した。

 
4.電源ファンの交換結果
   PCケースに入れずに裸でテストした時は風量が多かったが、PCケースに入れると以前と同レベルの
  弱風レベルになり風量はほとんど違わず音も静かになった。 騒音はASUS AI Suiteを使っているので
  かなり静かで7,200rpm HDD(HDT725032VLA360)の回転振動が床に伝わる低音があるのが気になる程度。
   但し、PCケースをパソコンラックに載せるとパソコンラックがダンパーになり床面に響く感じの音が抑え
  られ気にならなくなる。 電源ファン交換で風量が増えたようでPCケース内のエアフローが良くなった。

 (ご参考) P5QマザーボードPCをWin7 64bit化 5項.CPUクーラー

  (終り)
 
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14- 6- 1: 4項.電源ファンの交換結果の説明を更新。
14- 5- 6: 1項.事前検討に注記を追加。
14- 5- 4: 初版

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