A12. IEEE802.11n対応ブロードバンドルーターの導入

  無線LANレスポンスの改善最後部

(2011- 3-16初版  2013- 3-22更新)

   
 3/11東北関東大震災が発生。 リビングでテレビを見ながら作業するため、ルーターから10mのLANケーブルで接続したらつながらなくなってしまったので802.11n(300Mbps)対応のNEC製無線LANルーターを購入した。
 購入したルーターはNEC製のAterm WR8370N-HP/U(USB子機セット)で無線LANがIEEE802.11n/g/bだったが上位機種(IEEE802.11n/a/g/b対応)のWR8700N-HP/Uを購入したかった。
(注) その後、今まで使ったルーターがうまく動かなかったのは静電気の帯電による問題と分かった。
    ルーターが正常に動かない  (この記事を書くための接続変更でもほとんど同様の状況になった)

<WR8370N 設定方法>
 有線LAN側の設定は説明書を読まなくてもクイック設定web画面で設定できたが、無線LANはWindows XPの無線LAN機能から我流の設定をするので少し面倒だった。(他社製の子機を接続する必要があり、変則設定でアクセスされにくくする目的もある。 らくらく設定が万能ではないので設定の基本ルールを知る必要がある)
 最初は子機の設定でWPS設定というのに惑わされたがWindows XPの無線LAN機能だけで設定できることが分かったがウイルス対策ソフトの設定方法とも関係がありウイルスバスター2010の場合は古いルーター(Aterm WR7600H)の設定方法がセキュリティ設定(ファイアウォール)が干渉しないように思われた。 Aterm WR8370NのWindows XPの無線LAN機能を使う方式はウイルスバスター2011に合っているようだがウイルスバスター2010でも動くことは動いた。(Windowsのファイアウォールとウイルスバスター2010のファイアウォールが干渉しそう)
 WR8370Nの無線LANは11nがプライマリSSID、11g/bがセカンダリSSIDを使うようになっているがセカンダリSSIDからはWR8370Nのクイック設定web画面が表示できないと説明書に明記されていた。(他にも有線接続された端末、プライマリSSIDで接続された端末へも接続できない。 11nで親機と接続するのがメイン)
(注1) Windows XPの無線LAN機能は関係するサービスシステムサービス)が有効になっている必要がある。
   (Wireless Zero ConfigurationWindows Firewall/Internet Connection Sharing(ICS)の2つのサービス)
   私はウイルスバスター2010を使ってこれらのサービスを停止していたが普通はサービスを停止していないので問題なし。
(注2) 正規の設定方法はWindows XPの無線LAN機能を使うものだが、BUFFALOのClient Manager3が使えることが分かった。 (後述、Client Manager3はWindows XP標準の無線LAN機能を使わない設定方法)
 
<通信速度と接続状況>
 有線LAN接続でいきなり68Mbpsが出たがLANインタフェースが1000BASE-Tになったことで数値が上がった。
 無線LAN接続もIEEE802.11n接続で最大36Mbpsが出て速度が向上した。 しかし、Windows XPの無線LAN機能を使っているので電波が強くてもPC起動直後に親機につながるのに時間がかかる場合がある。 また、接続操作で簡単につながるが前回の接続設定を記憶しているためか11n−11g間の切替はなかなか切り替わらない。 IEEE802.11g子機接続では親機との間で54Mbpsのリンク速度で最大12Mbpsが出た。
 11n/11g子機でAES暗号化してセカンダリSSIDへ接続すると親機との間でリンク速度300Mbpsで最大33Mbpsが出て接続可能な速い方で親機とつながった。(AES暗号化の場合だけセカンダリSSIDで11nによる高速通信が可能になる)
 Windows XPの無線LAN機能の接続は使用環境で接続状況が変わりそうで11g接続(セカンダリSSID)に暗号化を強度なAESで設定すると接続しているのに接続していないなど不安定な状態になる。 SSIDステルス機能を使わない設定でもプライマリSSIDへ移行する傾向がありWindows XPはAESをプライマリSSID優先と認識しているらしい。
 クライアントマネージャ3がBUFFALOの説明画面で11n子機を接続していたので試してみた。 WR7600Hと同じ自前の設定方法で11n/11gで接続でき最大42Mbpsの通信速度が出た。 こちらの設定方法が暗号化方式やSSID設定に関係なく接続状態が安定しているのでおすすめ。(SSIDステルス機能にも対応している
 クライアントマネージャ3をインストールするとWindows XP標準の無線LANユーティリティが使用できなくなるので、Windows XP標準の無線LANユーティリティを使う場合はクライアントマネージャ3をインストールするなと書かれている。 また、2013年のクライアントマネージャ3のダウンロード ページには他社製の無線LAN接続ユーティリティと同時使用できないことが注意事項として書かれていた。 うっかりNECの無線LAN接続ユーティリティをインストールしたままクライアントマネージャ3をインストールしてレジストリをおかしくした。 この結果、後に無線LANの通信速度の変動が大きいことを発見、レジストリを修正することになった。
(注) 前のWR7600HもBUFFALOのClient Manager3を使用してBUFFALOとNEC両方の子機をIEEE802.11a/11gで安定して接続できWLI-U2-KAMG54と11a接続で親機との間で54Mbpsのリンク速度で最大17Mbpsが出た。
また、Client Manager3は暗号化についてもBUFFALOとNECの共通部分でAES暗号化の設定・接続が可能。
 しかし、ネット接続関係の操作をしないと通信速度が低下する傾向があり無線LANの使い方に慣れが必要なことが分かった。(
通信速度が低下するのはWindows XPの省電力機能が働くことが原因、通信すると速度が上がる
 Client Manager3のタスクトレイ アイコンの形と色で状態やリンク速度範囲が分かるのは便利。
 
タスクトレイ アイコンの表示説明はClient Manager3のヘルプ内のクライアントマネージャ3の基本的な使用方法 プロファイル画面 タスクトレイアイコンとメニューに説明がある。(アイコン表示が分かると便利)
 NECのサテライトマネージャはNEC以外の他社製子機を認識せず使用できない
 通信速度については測定時間帯で変動するが深夜24時以後、暗号化はAES(WPA2-PSK)13文字の設定で測定したが数値は測定ごとに変わるので有線での60Mbpsに対してこれ位の数値と理解下さい。
 元々の通信速度のない環境では出ない数字で親機との通信方式とリンク速度が速度低下要因になります。 
 また、使用する無線周波数が高いので親機・子機の近くに金属製のものがあると数cm移動するだけでリンク速度が大きく変化するが、リンク速度(Client Manager3では通信速度と表示)は次の方法で確認できます。(仕様上の速度 11n: 300Mbps、11a/11g: 54Mbps) Client Manager3はステータス表示、タスクトレイ アイコンにオンマウスで状態やリンク速度が表示される。(Windows XPのワイヤレス ネットワーク接続アイコンにオンマウスでも表示
 (使用した子機)   NEC : WL300NU-GS   (11n/11g/11b)
           BUFFALO: WLI-U2-KAMG54 (11a/11g/11b)
<無線LANの高速化設定>Aterm WR8370N-HP/U(USB子機セット)の子機は非対応
注1) 11aの通信速度が速いのは親機(WR7600H)でSuper AG機能を使用・圧縮なしの設定が有効で約30%速度向上することが分かった。 Super AG機能を使用しないに設定すると11gと同程度の速度に低下する。 また、WLI-U2-KAMG54は11a、11gどちらもSuper AG機能が使え同程度に速度向上したが、WL300NU-GSではSuper AGを使用した場合は接続できなかった。(接続に失敗したのでハード/ソフトの対応がないためと考えられるが、11n対応でSuper AG機能がなくなったのは残念)
 WR8370Nの類似機能にストリーミングモードがあるがこれは
サテライトマネージャ使用とデバイスマネージャから子機にストリーミングモードを設定することで実現することが分かった。 しかし、子機セットに付属の子機WL300NU-GSではストリーミングモードを設定できない。(低価格志向を追求?、少し疑問のある組合せセット)
注2WR7600HのSuper AG機能の速度向上効果の確認のため2006年製のCore DuoノートPCで通信速度をチェックしてみた。 11a対応のUSB接続子機WLI-U2-KAMG54では最大18Mbps台の速度が出た。 11a対応のNEC製無線LANカードWL54AGでは最大24Mbps台の速度が出てSuper AG機能が十分効果を発揮することが確認できた。 両方ともクライアントマネージャ3で接続したがWL54AGは最初は接続できなかったがWLI-U2-KAMG54のドライバを更新してからクライアントマネージャ3を更新したら正常につながるようになった。
 Card bus接続のWL54AGは当初はそれ程速くなかったがサテライトマネージャをアンインストール後に速度が上がった。(更に、速度の速い理由はサテライトマネージャ内のTCP/IP設定ソフトでBフレッツ対応のバッファサイズ調整を実行したため。 WLI-U2-KAMG54は設定をしているように見えたが効果がなかった)  サテライトマネージャは以前はクライアントマネージャ3と両方を交互で使えたが再インストールしても使えなくなったのでアンインストールした。(WL54AGのドライバ インストールのためにはサテライトマネージャのインストールが必要。 
サテライトマネージャクライアントマネージャ両方のユーティリティを同時にインストールするのはダメ

<新旧ルーター比較表>

項 目

(新) WR8370N

(旧) WR7600H

無線LAN

IEEE802.11n/g/b

IEEE802.11a/g/b

無線LAN高速化

ストリーミングモード*1

Super AG機能*2

WANインタフェース

1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T

100BASE-TX/10BASE-T

LANインタフェース

1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T
スイッチングHUB x4

100BASE-TX/10BASE-T
スイッチングHUB x4

USBインタフェース

LANまたはWAN側から
USBメモリへのアクセス

( な し )

設定方法 *3
自動(らくらくネットスタート)
自動(らくらく無線スタートEX)
WPS (WindowsXPのみのサポート
クイック設定web画面(親機)
Windows無線LAN機能(子機)
自動(らくらくウィザード)
クイック設定web画面(親機)
サテライトマネージャ(子機)

消費電力

14W (最大

8W (最大
*1 使用するにはストリーミングモード対応子機が必要。(WR8370N子機セットは対応していない)
*2 ハード/ソフト(ドライバ)がSuper AG機能に対応していることが必要。
*3
最終設定にはクイック設定web画面(親機)とClient Manager3(子機)を使用。

<後記>
 当初WR8370N-HPはWR7600Hの11a接続に比較してあまりにも接続状態が不安定で使いたくないと思ったがクライアントマネージャ3で子機側を設定することで安定した接続状態になりかなり使えるようになった。
 しかし、個人的にはWL300NU-GSの仕様が貧弱で気に入らない。 より高速な無線LAN接続をしたい場合は上位機種のWR8700N-HP/Uの方が通信を高速化するストリーミングモードが使用できるので親機との間でより高速で安定した接続が期待できる。(WL300NU-AG子機単体を購入すると6000円ほどの実勢価格なので高過ぎる
 現在は省エネ対応もありWR7600Hを802.11aで使っているが体感的には速度が若干遅いかなという程度で有線LANと同等のレスポンスで使えている。(ADSL使用時は10Mbpsの通信速度でも不満がなかった)
 その後、WR8370N-HPの通信速度改善のためにNetTuneのDefault設定でPCの受信環境調整と高度な設定で無線LAN電波の混信対策設定をすることで通信速度が向上、周囲の電波環境(WR8370N-HPの設置位置)の変化に対する通信速度変化が少なくなり802.11nが使えるようになった。


<注記>
注1) 802.11aは屋内使用限定だが利用者が少ないようで自宅では電波が検索されません。(電波が干渉する確率が低い)


無線LANレスポンスの改善>  (関連記事) インターネット接続のレスポンス改善 (該当部分)
(注2)
長い間、ノートPCのインターネット接続のレスポンスが遅いことが気になっていたがワイヤレス ネットワーク接続内の使用しないプロトコル(BUFFALO Wireless ConfigurationAEGIS Protocol(IEEE802.1x)v3.2.0.3)を削除すること、ワイヤレス ネットワーク接続名が「ワイヤレス ネットワーク接続 5」という変な数字が付いていたのを「ワイヤレス ネットワーク接続」と数字なしの名前に変更することで正常なレスポンスになった。 デスクトップPCでも「ワイヤレス ネットワーク接続 2」になっていて若干レスポンスが悪かったが名前を「ワイヤレス ネットワーク接続」に変更してレスポンスが改善した。(「ワイヤレス ネットワーク接続」の名前がレジストリ内にある場合があり、その場合はレジストリ内の名前も変更した方が矛盾がなくなる
 AEGIS Protocol(IEEE802.1x)v3.2.0.3の削除(停止)についてはデスクトップPCの無線LAN接続でもレスポンス改善の効果があった。 AEGIS Protocol(IEEE802.1x)はBUFFALOの説明で会社などのビジネス系システムで認証機能を実行させるためのものでホーム使用では設定するなとあった。(時々設定が有効になってレスポンスが低下するため使わないソフトなので削除した)
注3 自宅では上記(注2)だけで問題なかったが旅行中のホテルによってはレスポンスが悪くなるホテルがあり調査した。 オートダイアル機能という普通では必要のないURLがリモートの場合にオートダイアルする(モデム接続)機能をチェックに行くことが問題になっていることが分かり、(システム)サービスのRemote Access Auto Connection Managerを無効に設定することでレスポンスが改善した。
 なお、Remote Access Auto Connection Managerの無効設定は自宅のデスクトップPCでも有効でレスポンスが一段と向上した。
 (参考) WinXPサービス設定説明と設定例 (該当部分)

 (以 上)

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