3. 自作4台目 Athlon
1.33GHzマシン製作 (2001年4月)
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(2001- 4-21初版) 2004- 4-11 更新
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1. 事前準備
2000年12月にDDRメモリ対応のCPUとマザーボードの発表があり、Athlonマシン自作の検討を始めた。
まずは手始めにケースを交換して稼動音を小さくすることから準備開始。
2001年3月、メインマシンのケースをアルミ製に交換し、かなりの静音化を達成した。
電源が静かなこととケースの柔軟性が効いているためか、かなりの効果だった。
パソコンを自作しているため、新しいCPUが出て保有マシンの性能より1.5倍以上になったらCPU更新
の検討を始めています。 今回も2月末頃から考えていたが、Athlon1.33GHzが購入可能で価格も下がって
きたので実行した。 (CPUクロックだけで1.5倍以上になっているので性能アップは間違いなし)
DDRメモリに対応したシステムにするには、AthlonCPU、メモリ、マザーボード、CPUクーラーが必要です。
4月に入ってCPU、メモリの価格が低下してきたので待機状態になる。
2. パソコンのCPU更新
2.1 マザーボードはどれに?
2001年4月はAMD社のAthlonが健闘しておりマザーボードが沢山出ていてどれが良いか分からない。
そこへインプレスがベンチマーク特集を発表したので使用されていたASUS A7M266 マザーボードに決定。
ASUSは私の好きなメーカーでマニュアルが良くBIOS更新がきちんと行われています。
CPU価格が当初の発売時の価格より下がったので4/20にさっそく秋葉原へ。
インターネットでインプレスが秋葉原価格情報を出しているので物の価格状況が分かります。
CPU、メモリ、(マザーボード)の最安値を確認して秋葉原へ行って買ってきました。
金曜日では先週の価格なのでこれより安ければ買い候補、店をいくつか回って購入。
2.2 マザーボードのセットアップ (マザーボードへCPU,メモリの取り付け)
現在使っているマシンのマザーボード・CPU・メモリの交換なので、新マザーボードへCPUとメモリを
取り付ける。 CPUクーラーの取り付けで当たりをチェックするが固定金具がかなり硬い。
以前P3−550でクーラー周りのファンやシリコングリスに苦労したことがあるのでグリスをCPUと
クーラー側に薄く塗って取りつけた。(同梱シリコングリスを使用)
(注) CPU温度はファンの性能やシリコングリスによってかなり変化します。
前のP3-550の私の取り付けとメーカー組立てのslot1との温度比較ではslot1の方が約5℃低かった。
(動作ももちろん安定) このためP3−800ではソケットタイプでなくslot1のCPUを購入した。
折角大きいクロックの早いCPUに交換しても、CPU温度がふらついて2割近くも性能が変動すると
CPU更新のメリットが少なくなります。
・マザーボードのケースへの取り付け
取り付けてみると基板の幅が前のマザーボードより大きくネジの固定部分が1列多く止めることになった。
この結果ケースのクーラーファンのケーブルの長さが不足して翌日にケーブルを延長。(はんだ付け)
(注) AMD CPU対応のATXマザーボードはこの頃も幅があったが、2021年に使ったTUF GAMING B550-PLUSも同様に
マザーボードの幅が1列分大きかった。 標準外のデバイス追加をしなくても専有面積一杯の配置で狭く感じた。
3. ソフトウェアのセットアップ
3.1 OSのインストール
・BIOS設定して、FDDからFDのOSをインストールする。(BIOS設定はマザーボードの説明書を参照)
3.2 ドライバーのインストール
・OSを起動してドライバーをインストールする。
CPUとチップセットが新しいので次々と検出してくる。
CPUとチップセット周り、サウンド、ASUSのマザーボード・ユーティリティを入れる。
インストールできないものはキャンセルで抜け、後でマザーボードに付いてきたCDからインストール。
これだけでうまく立ち上がった。(有難い!)
(注) 使っているOSが98年発売のWin98なので、その後に出てきたチップセットなどはサポートして
いない。 当然、別途インストールする必要があります。
前回インテルの810eというチップセット使用のサブマシンを組立てた時は、440BXチップセットで
インストールしたハードディスクからソフトの移行はできず、再インストールする必要があった。
3.3 マザーボード・ユーティリティほかで状況確認
マザーボード・ユーティリティを使ってCPU温度を確認すると周囲温度24℃でCPUが50℃、マザーボードが
36℃だった。 使用クーラーは(有)親和産業販売の「BIG WAVE」、松下電器産業の流体軸受採用のファンを
使用したもの。 Norton Utilityでのシステム・ベンチマークの数値が安定しており使えそうです。
・HDBENCH、他でチェック
HDBENCHでCPU関係やディスク転送の性能が向上していることを確認できた。
Norton UtilityのシステムベンチマークでP3−800が400+だったものが、Athlon 1.33Gでは725に
なったので約1.8倍の性能向上。
CPUが違うので直接比較はできないが、クロックアップ分が1.67倍で残りがメモリのクロックアップ
(100から266へ)アップした。
Norton Utilityのシステムベンチマークは時間を置いてチェックしても数値がほとんど変化せず、CPUの
取り付けがうまく出来たことが確認できた。
4. 使用感
Norton Utilityでのレジストリ チェック、ウイルスバスターで45,000ファイルのウイルスチェックなど実行速度
が早くなった。 ウイルスチェックでHDDがうなるような大きい音を立ててチェックする部分もあり以前よりも早く
なった。
これはファイルを読んですぐにチェックが終わるため、HDDアクセスが連続するようになったと考えられる。
また、操作がすぐにHDDアクセスに結びつくせいか、以前より操作からHDDの音がするまでの時間が早く
なり、HDDアクセスの音も大きくなった。
予想外な部分は稼動音が若干大きくなったこと。 CPUクーラーの熱交換フィン部分での風切り音が前より
少し大きくなった。(前PCの方が騒音レベルが半分程だった。 それでも深夜に問題なく使えるレベルです)
しかし、稼動音はCPUがPentium Vに比較して発熱量が大きいためクーラーも強力でその分大きい音が
出る結果になった思われます。
5. 静音化対策
CPUがAthlon 1.33Gになったが稼動音が大きく耳障りなので静音化対策をすることにした。
(2001年12月頃になると更に高速なCPUが出てきたのでCPUクーラーも良いものが出てきた)
(その1: 5/15実施 CPUクーラーでの騒音発生レベルの低減(1回目))
Athlon普及委員会の掲示板にCPU冷却関係での静音化対策が掲載されたので、5/15に実施した。
大口径ファン(8cm)を使って低回転数で冷却するもので方法は知っていたが固定方法が分からず実行が
できなかったもの。 効果は抜群で7200rpmで回転しているHDDがうるさく聞こえるまでに静音化できた。
(使用パーツ) CPUクーラー:BIG WAVE + ビス 4mmφ5mm x4本
口径変換 :ダウンバースト・プロ SS−DB−80Pro(最近は安いものが多数出現)
8cmファン :SANYO標準ファン 2900rpm(このファンは最終的には交換)
8cmファン :松下流体軸受タイプ 1900rpm(ケースの吸気側に使用)
銅 版 : 親和産業 型番SS-SKTA-RABV(0.6mm厚)
(その2: 5/18実施 ケース前面吸気ファンの騒音削減)
ケース前面吸気ファンの取付けに同じ8cmファンの枠部分だけを間に挟んで、ファンとケース面との間を
空けてファン回転時の風切り音の削減を図った。 ねらい通りに風切り音はほとんど聞こえなくなった。
(使用パーツ) 秋葉原で壊れた8cmファンを100円で購入して枠部分だけを使用。
ビス 4mmφ15mm x4本 + ナット4個
(その3: 5/22、23実施 CPUクーラーでの騒音発生レベルの低減(2回目))
CPUファンにベアリング軸受タイプを使用しているため時々コロコロという感じの音が出る。
これも静かにさせたいと22日秋葉原で流体軸受2950rpmのファンを購入、またケースファンにサーミスタで
温度によって回転数を変化させるようにしたものを売っていたので試してみることにした。
流体軸受の2950rpmのファンは失敗、風量が過大になりノイズ発生源になってしまう。
風量の問題ならと1900rpm、2050rpmを試してみるが風量不足で2400rpm程度が良さそうだと分かった。
23日に秋葉原へ行きNidec製の静音2400rpmのものを購入する。
最初に空気漏れ防止ガイドを付けて取付けると騒音が発生気味でケース側板がファンの回転数(40Hz)で
震える。 効果が強過ぎると判りガイドを外して取付けると、騒音もなく冷却効果も十分なことが判って最終
決着とした。
可変速回転ケースファンは回転数が高過ぎて使用できず、2000rpm前後の静音ファンが静音化目的の
ケースファンとして最適なことが判った。
(使用パーツ) 8cmファン :日本電産 Nidec静音2400rpm(D08A−12PH−02A)
NBRシステム採用(ベアリング軸受を使用しないタイプ)
(注)静音対策のため従来からケース側板に重しを貼り付けてケース側板の振動を抑えています。(後記)
6. トラブル発生と修復 (マザーボードのBIOS更新)
このまま使い続ければトラブルにも遭わなかったが、ホームページを面白くしようとソフトを強化したこと
からメモリ追加が必要になりトラブルが発生した。
6月にメモリを128MB 2枚にしたのと、Photoshop 6.0を入れて不具合対応のレジストリの修正入力を
同時にやってしまったため、システムが不安定になった原因がはっきりしなくなってしまった。
何度もレジストリ復元でシステムを延命させたが、6/20ダウンして動かなくなった。
メモリ256MB(128MBx2)ではOSの再インストールを何度やってもWinMeのレジストリが正常に作れず、
メモリを1枚だけの128MBにしたらレジストリ エラーが起きなくなり、6/23ソフト環境の復元完。
ソフト環境を復元後、メモリを256MBで使用してシステム エラーが起きるので6/24夜にマザーボードの
BIOSを最新のものへ更新したら、メモリ256MBでもシステムが安定して動くようになった。(やれやれ)
(注) BIOSが簡単にダウンロードできず、ネット情報からドイツのサーバーからダウンロードした。
(BIOSでメモリ間のタイミングを調整したらしく、その後は安定して動いた)
しかし、特定条件での異常が時々起きるのでまだ完全ではない。 この時はハード、ソフトどちらに問題が
あるか不明。 WinMeではHP編集ソフトPageMill3.0Jのファイル書込み後に時々システムがロックすること、
電源管理のACPIの設定が安定しないことから、OSをWin98へ戻した。(6/27)
これ以後は安定して動いているので完治したのでしょう。(6/29)
パソコンでこんなに手間がかかったことは初めてです。 ホント面倒くさい!
7. その後
2001年6月27日以後はハード的に完全に安定して動いています。
アドビのWeb Special PackについてきたPhotoshop Elementsというソフトのパノラマ合成の機能が良い
ことが判ったが、メモリ256MBでは時々メモリ不足になることがある。(データの大きさの問題らしい)
(メモリを512MBに増設)
メモリを512MBにすることで2001- 9- 7に秋葉原でnanya製チップ使用のCL=2という若干早いメモリ
256MB 2枚を購入して挿し替えた。 ノートンユーティリティのチェックではシステム性能の数値変化なし。
普通のものがCL=2.5だが、CL=2での効果はどこにあるか不明。 BIOSには反映されているが
ベンチマークチェックをするのも手間がかかって面倒です。
(HDDを流体軸受の40GBに交換)
2001年12月にHDDの空き領域が少なくなったのでMaxtor製の流体軸受け採用の40GB HDDへ
交換した。 流体軸受けにより騒音レベルが下がり稼動音が一段と静かになった。
また、40GB/プラッタであることから転送速度が早くなって、特にスキャンディスクでの領域の
完全チェックが20GB/プラッタの半分の時間で終わったので早さを実感した。
(約30分/10GBになりました。 20GB/プラッタのHDDの場合は約1時間/10GBでした)
2002年10月に60GBへアップ、 2003年9月に120GBへアップしました。
7.1 その後2 (2004年4月11日追加)
作ってから約3年経ち2004年1月頃からチップセットファンから大きな音がするようになった。
暫くは時間が経つと静かに稼動していたが2004年3月下旬にはついに大きな音が連続するようになった。
チップセットファンの代替品として同じ回転数5500rpmレベルのファンがなく4200rpmの静音ケースファン
を購入した。(ファンなどの回転要素の部品には寿命があり、どの位の寿命かは作り方によるようです。
購入したファンの寿命は「超寿命5万時間」と書かれていた。 ノイズレベルは驚異的な14.0db以下と)
同時にWinXPの仮インストールをしようとしてWin98の120GBのHDDを壊してしまった。 代替として日立の
120GB HDDを購入したが、これが騒音の発生源となりケースに猛烈な振動(共振)を起こした。
振動が床に伝わり不快な音でとても耐えられない音が出る。 最初は騒音発生源がどこか分からず
手探り状態だったがオーディオ発信器で同じ帯域の周波数を出して周波数が120Hz=7200rpmでHDDから
出ていることが分かった。 振動レベルが大きい、回転中のHDDをケースなどへ触れさせると音が出る
状態だったのでショップで交換して貰ったが、交換して貰ったHDDも振動レベルが若干下がった程度で
アルミ製のケースでは使うのが難しいレベルの振動を発生する。 仕方がないので別のHDDを次の段に
取付けることで振動を低減させたがケースから床へ振動が伝わり少しうるさい。
(新しいPCが格段に静かなのでレベル差が大きい)
2004年4月に前と同じMaxtor製のHDDに交換して1件落着。
8. ケース側板の共振対策
ケース側板がファンその他の回転によって共振するのを抑えるために重しを貼り付けています。
従来は比較的軽いもので間に合っていたが、今回はHDDの振動がひどかったので重しの重量を増やし
貼付け配置を変更。(位置はCPUファンの裏側付近で位置決めは手探りで側板の振動の大きい箇所に貼付け)
(注) 従来は片側の側板だけに付けていたが今回はもう反対側の側板にも若干の重しを付けました。
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(後) (前)
従来の重しの付け方
(蝶番と500円記念硬貨) |
(後) (前)
今回の重しの付け方(2001年4月)
(従来のものより一周り以上に大きい蝶番を追加) |
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